1975年、シングルレコードのB面として発売された「酒と泪と男と女」は、
50年の歳月を経て、今日もどこかでだれかが歌っている。
河島英五がこの曲を作ったのは18歳の高校生の時だった。
大人の世界を冷めた目で見ていた青年は、やがて世界を旅し、
メッセージ性の高い曲をたくさん生み出していく…。
「あのねのね」のバックバンドとして屈折した思いを持っていた下積み時代。
日本酒のCMに起用されて売れた「酒と泪と男と女」。
シルクロードを漂流した一人旅。
円空の後ろ姿を追って、バイクにギターを積んで日本各地で歌った日々。
笑福亭鶴瓶、桂南光、原田伸郎、バンド「ホモ・サピエンス」、
友人らが回想する英五とのピリピリした時間と深い情。
家族を心から愛し、病に侵されながらもステージの上に立ち続けた。
そして2001年4月、48歳の若さでこの世を去った。
『京都に女王と呼ばれた作家がいた』で
ミステリー作家・山村美紗の生涯を描いた花房観音が、
英五の娘、河島あみると出会ったことから、
世間がイメージする「男らしい」河島英五と違う英五の姿を知り、
その生き様にのめりこみ、生涯を書ききった、渾身の一作。
【書籍データ】
「生きてりゃいいさ 河島英五伝」
2025年4月 初版第一刷発行
著者 花房観音
判型 四六判並製 252ページ
定価 1,500円(税抜)