【星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル】静かな冬を過ごす旅

3月半ば、関西では桜開花の話題が出始める頃、ダウンコートを手に持ちスノーブーツといういで立ちで、神戸空港に向かった。目的地は青森県十和田市。

12時発のフジドリームエアラインズ(FDA)へ乗り込む。

鮮やかな色彩の機体の客席は、革張りでゆったりしたシートに足元は広々している。快適な1時間35分が過ごせそうだ。

FDAは定刻に青森空港に到着。空港内のディスプレイを目にし、青森県に着いたことを実感した。
タクシーに乗り、「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」へ向かう。今シーズンは雪が非常に多いそうだが、道路はノーマルタイヤで走行できそうなほど完璧に除雪されていた。聞くところによると、青森県の除雪技術は日本一だそうで、雪の多い他県からも見学に来るほどだとか!

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルにチェックイン

ドライバーさんの軽妙なトークに耳を傾けること約1時間半、国立公園内で奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテル・奥入瀬渓流ホテルへ到着。スタッフさんに案内され向かったロビーでは大暖炉「森の神話」の温かな歓迎を受けた。岡本太郎氏の迫力ある作品に、しばし目を奪われる。メンバーの中に以前こちらに宿泊された方がいるのを知ったスタッフさんからは、「おかえりなさいませ」。快適な宿泊を予感させる心地よい響きに笑みがこぼれた。

フレンチレストラン「Sonore(ソノール)」で料理とワインのマリアージュを堪能

ディナーの前にワインセラーを見学させてもらった。約150種類・2000本の銘醸ワインを目当てにくるお客様もいるという。ディナータイムへの期待がどんどん膨らむ。

外は時折粉雪が舞っている。今はずいぶん積雪が減ったというテラスへ。春から秋までの雪のない時期は、こちらで朝食がいただける。タープの下で、川のせせらぎに鳥の声を聞きながらの朝食は、どんなに心地良いことだろう。このテラスで、冬場も雪を生かした素敵な計画が進行中だとか。来シーズンが楽しみだ。

今夜のディナーは、奥入瀬渓流の自然をイメージした極上の空間・フレンチレストラン「Sonore」で、贅沢な冬限定メニューをいただく。

食の宝庫・青森県の旬の食材をふんだんに使ったフルコースをペアリングワインと共に楽しむメニューは、アペリティフからメインデセールまで10種類。一部をご紹介しましょう。

■冷前菜「鮪 百合根」

鮪の食感や味わいを引き立てた一品。鮪節で取っただしに魚醤を合わせた和テイストのジュレが絶品。

ここでは鮪を使った冷前菜を必ず提供されるそう。一足お先に春メニュー、鮪と長芋の食感と春キャベツの香りを楽しめる「鮪 春キャベツ」も拝見した。

■冷前菜「鳥賊」

火を通した鳥賊に薄くスライスしたカリフラワーをあしらった焼売風の一品。柚子の香りで更に華やかに。

冷前菜の春メニューは、青森の郷土料理「イガメンチ」をアレンジした「イガメンチ 筍」。春らしい食材の筍と海苔のソースとのコラボを楽しめる一皿だ。

■メインデセール「タルトタタン」

4種類のリンゴを併せて、リンゴ約1個分使用したタルトタタン。4時間かけてじっくりと焼き上げられ、濃厚で奥の深い味わいに。

メインデセールの春メニューは、苺の甘酸っぱさとピスタチオの香ばしさを楽しめる「苺 ピスタチオ」。

※食材の仕入れ状況により提供内容が異なる場合があります。

冬、ここだけの2つの氷瀑

たっぷり2時間フルコースを堪能した後は、冬の醍醐味「氷瀑ライトアップツアー」へ。ガイドさんと共にバスで巡る約50分のツアー。集合場所は岡本太郎氏の最後の作品「河神」がある2階ラウンジ。

落葉した木々の壁面には氷瀑が見えるが、ライトアップはされていない…と思った瞬間、光の中で氷瀑が輝いた!常時ライトアップしているのではなく、このツアーに参加した人だけが見ることができる特別なもの。春先は気温の変化で氷が折れやすくなっており、幸運にも今シーズン最後のチャンスだったようだ。常時ライトアップしないという自然環境にもやさしい仕組みに納得しつつ、氷瀑の美しさにしばし寒さも忘れる。

外気で冷えた体を温めるため大浴場へ。冬場は露天風呂の壁一面が氷瀑で被われた「氷瀑の湯」に。先程感動した氷瀑が、温泉に浸かりながら眺められる特別な空間で心も体も温まる。八甲田から湧き出した温泉で至福の時間を…。

雪の花で被われた銀色の世界

朝、カーテンを開けると、窓の外の木々が雪の花で被われている。

露天風呂テラス付きの客室は、時間と共に変化する美しい景色が眼前に広がっていた。

ホテルの外へ出てみると、一面の銀世界。新しく積もった雪で作った雪だるまと一緒にパシャリ!

朝食はビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」でいただく。リンゴがモチーフのインテリアが魅力的なレストランで、ディナービュッフェも好評だ。

お土産のスイーツは、“苔の聖地”ならではのものや、青森のリンゴジュースをギュッと凝縮した“パート・ド・フリュイ”などおしゃれな美味しいものばかり。

また来よう。「次は、春?夏?秋?いや、冬に来たい」という思いを胸に、次の目的地「星野リゾート 青森屋」へ出発した。

■星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/

「星野リゾート 青森屋」編はこちらから

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