晩秋の旅の行き先は札幌。見どころの多い札幌で、これまでに行ったことがない場所…それが夜の「すすきの」だった。宿を「OMO3札幌すすきの(おも)by星野リゾート」(以下、OMO3札幌すすきの)にしたのは、地元の人が楽しんでいるありのままの街の空気を体験するのが目的だったから。
■スタイリッシュで快適な「OMO3札幌すすきの」
「OMO」は星野リゾートが全国に展開する都市ホテルブランドで、OMO3札幌すすきのは2022年1月28日にグランドオープン。全国各地に11施設(2022年10月現在)開業しており、都市観光の楽しさを発信している。
まず、ガラス扉越しに見えるエントランスの壁に目を奪われた。まばゆい光を放つ看板で壁が埋め尽くされて、すすきのにありそうな名前がずらりとあるが、架空の名称だそう。
チェックインを済ませキーを受け取り、心はお祭り気分になりながら部屋へと向かう。カフェのあるロビーなどのパブリックスペースはオープンな雰囲気だが、エレベーターはキーをかざさないと動かないからセキュリティー面も安心。長期滞在に嬉しいランドリースペースもある。
部屋は真っ白な寝具が整ったベッドに備えられたキュートなクッション。ノートパソコンを広げるのに丁度良いテーブルに座り心地の良いイージーチェアーもビジネスユースにはありがたい。仕事の資料をまとめようかと思ったけれど、まずは17時からロビーで開催される「すすきのアペロミーティング」に参加しよう。
■「すすきのアペロミーティング」でグルメ情報をゲット!
すすきのアペロミーティングは、「ご近所ガイドOMOレンジャー」と呼ばれるスタッフが、1階のパブリックスペース「OMOベース」で毎日行っている参加料無料のプログラム(16時、17時開始、各回約15分)。すすきのの食についてナマの情報を詳しく教えてくれるので、旅行者は参加しない手はない。「アペロ」は、夕食前にお酒を飲みながらおしゃべりを楽しむフランスの文化だそうで、すぐ横のカフェでドリンクを買って飲みながら参加するのもOKだ。
この日のテーマは、ジンギスカン。独特な鍋の特徴から、羊に与えているこだわりの餌まで、初心者にも分かりやすく、クイズを交えながら話が進む。一緒に近隣のジンギスカン店の特徴も聞くこともできた。「今夜は海鮮で」という思いが揺らぐ、あっという間の15分。
情報満載の「ご近所マップ」を前に、OMOレンジャーに希望を伝え、夕食を求めて街へ出かけた。ご近所マップは、OMOレンジャーが実際に出かけて集めた飲食店の情報がぎっしり詰まっている。前に立てば、ガイドブックに載っていない「ハズレ無し」の店が一目瞭然。
■「元祖さっぽろラーメン横丁」へ
教わったジンギスカンの店で軽く食べて飲んで、「元祖さっぽろラーメン横丁」へ向かう。OMO3札幌すすきのでは、「札幌のいろんなラーメンを味わいたい」という願望をかなえるべく、この横丁17店舗から好きな3店舗を選んでハーフサイズラーメンを各店1杯ずつ、合計3杯食べられるラーメンチケット付きプランがあるのだ。
南北に通る通路の両サイドにぎっしりと並ぶ店舗のメニューを眺めながら2往復。とても選びきれないけれど、目にとまった店に入ることにした。
◆がんてつ
1軒目は、豚骨ベースのガツンとした味の店を選ぶ。入店しラーメンチケットを切り離して1枚渡すと、テンポよくラーメンが提供された。スープと麺のバランスが絶妙で、あっという間に平らげる。ハーフサイズだから、余裕で次の店へ。
◆しみじみ
2軒目は、じじみの旨みたっぷりの貝のダシの店を選ぶ。さっぱりしていて、途中でバジルソースを加えて味変も。先の店とは全く違う味わいに箸が止まらない。元祖さっぽろラーメン横丁の奥深さも一緒に味わった気分。
おなかいっぱいなので、3軒目に後ろ髪をひかれながら一旦OMO3札幌すすきのへもどる。21時からの「すすきの夜更かし散歩」に参加するためだ。すすきの夜更かし散歩は、2022年9月1日から11月30日までの期間限定で開催されている飲食店紹介のツアーで、気に入ったお店があれば、途中離脱OK!という何とも嬉しいツアー。
■OMOレンジャーの案内で夜のすすきのへ
OMOレンジャーに街の説明を聞きながら、すすきの夜更かし散歩が始まった。夕方から明け方にかけて営業するパン屋さんで甘いパンを買って、大泉洋さん出演の映画の撮影場所になったお店をチェックして、昭和の風情が漂うスナックがずらりと入居しているビルなど、一人だったら絶対に通りすぎてしまう店と出会えてワクワクがとまらない。
最後は札幌で流行っているという「締めパフェ」。店の前までOMOレンジャーに案内してもらって離脱。やっぱりスイーツは別腹、あっさりした生クリームが美味しくて大満足だ。
OMO3札幌すすきのにもどり、部屋で更に「幸せな夜更かし」を楽しもうと、エントランス奥の「OMO Food & Drink Station」へ。ここは、24時間キャッシュレスで様々な商品を調達できる。ワインとおつまみをチョイスして部屋に戻りシャワールームへ。少し冷えた体をボディーミストが心地よく温めてくれる。コップに入れたワインをぐいっと飲んで、「すすきのは1晩じゃ足りない」とつぶやいた。
■地元の味を楽しむモーニング
昨日の疲れが嘘のようなスッキリとした目覚めに驚いた。夜遅くまで食べ歩いたのに朝から空腹感。さっそくOMO Food & Drink Stationへ向かう。朝食をチョイスする宿泊客で賑わう中をウロウロとお目当ての商品を探す。
「あった!」昨夜教えてもらった夜のパン屋さんのクロックムッシュだ。深夜にOMOスタッフさんが仕入れに行かれているらしい。
札幌駅弁笹寿司もある。昭和18年創業の弁菜亭の笹寿司が2個入りで販売されている。朝ごはんにはちょうどいいサイズ。ホットコーヒーとお味噌汁もチョイスして部屋でいただいた。テーブルもゆったりしているから、のんびりと朝食タイムを楽しめた。出発までの間、仕事を片付ける手もはかどる。
「次は誰と来ようかな」という思いを胸に次の街へと移動した。
Txt. 都志リサ