大阪から岐阜への旅の目的は「界 奥飛騨」に泊まること。新幹線、特急、路線バスを乗り継いで到着した奥飛騨温泉郷の平湯温泉は、標高2000メートルを越える山岳地帯。4月後半だというのに雪が残る山々といで湯、そして「界」ならではの創作郷土料理を堪能した初日。2日目もさらに充実した旅になりました。
朝日をあびて現代湯治体操
すっきり目覚めた朝、中庭での現代湯治体操「奥飛騨やまびこ体操」に参加。飛騨のきこりの動作をイメージしたストレッチ。棒をノコギリやナタに見立てて「ヤァッ」という掛け声とともに体を動かすと、気分もすっきり。
体操のあとは、トラベルライブラリーでいれた朝のお茶を飲みながら、足湯でさらに気持ちを整えます。午後のお茶とは種類が変わっているので、すっきりと目覚めをフォロー。
朝風呂ってどうしてこんなに贅沢な気分になれるのだろう、と幸福感に満たされながら部屋で露天風呂タイム。
滋味ゆたかな朝食会席でパワーチャージ!
夕食と同じ場所での朝食ですが、夜とは雰囲気が違います。半個室はこまめに担当者が顔を出してくれるので、欲しいものを頼んだり説明を聞く際に、気軽に声掛けができます。
いろんな食材が使われていてパワーチャージできそうな朝食の登場です。生姜醤油漬けの豆腐、同じく生姜をきかせた牛時雨、飛騨の郷土料理ぼっか煮とは川魚の甘露煮のこと。焼き魚は鮭の味噌漬け。ピリっと刺激のある赤かぶらのめしどろぼ漬、界オリジナルの昆布梅とともにごはんが進みます。
味噌鍋の具は、干し野菜と豚肉です。人参、ナス、カボチャなどを一旦干すことで栄養もアップ!ぐんと濃縮された旨みを堪能しました。
関西ではなかなか見かけない朴葉蒸しは、鶏肉と人参が入った黍(きび)の飯蒸し、これもおいしかった!
初めてでもできた!曲木のバッグハンドルづくり
地域の文化を体験できるご当地楽は「飛騨の匠体験」として、曲木のバッグハンドル(持ち手)づくりに挑戦です。曲木の技術についての説明を聞いたあと、あらかじめ水に浸した木材を渡されました。
ゆっくりと、しかし力を入れて少しずつ曲げていきます。はじめは思うようにいかなかったのが、何度かやるうちに少しずつ曲がっていきます。
15分ほどでこんなに曲がりました。道具で固定して乾燥機にかけて、ほどなく完成。
界オリジナルの風呂敷と組み合わせて、風呂敷バッグとして即使えます。スマホとキーだけ入れて、館内を移動するのにも便利。ハンドルを外せば風呂敷として使えるし、他の布と組み合わせてもオリジナルのバッグができます。
本館のフロントも飛騨らしい設え
さて、名残り惜しいのですが、チェックアウトのために本館に向かいます。
天井にはウォルナット、クリ、ヤマザクラ、ナラの板が使われており、フロントへ続く道のような床材はナラです。座り心地のよいシックなソファーと合わせて、飛騨の落ち着いた世界観を表しているようです。
フロントの上のオブジェは地元の木々をアレンジ。
忘れてはならないショップでのお買い物。飛騨高山の伝統工芸品や星野リゾートのオリジナル商品が並んでいます。
飛騨地方で昔から作られている人形「さるぼぼ」を模して作られた積み木、「つみぼぼ」。県産の木材を使ったかわいいグッズです。
地元の窯元作の陶器、一位一刀彫の一輪挿し、クルミの樹皮で編んだ籠など、職人が一つ一つ手作りした工芸品が並びます。
客室でいただいた山椒入りの味噌煎餅も買えます。味噌味の薄焼き煎餅とビターチョコ、飛騨山椒のピリッとした痺れ感のバランスが絶妙。
宿の近隣を散策
バスの出発まで少し時間があったので、「界 奥飛騨」から歩いてすぐの場所にある平湯神社を参拝。
平湯神社の横にある、高山市指定文化財の旧豊坂家住宅(写真手前)は、享保尺制定以前の間取寸法で建てられたものです。写真奥は合掌づくりの資料館「平湯民俗館」で、どちらも無料で公開されています。
「平湯民俗館」の中には囲炉裏があり、昔の暮らしを彷彿とさせます。農機具や本なども展示されていて、ゆっくり過ごせます。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。「界」は連泊してゆっくりと過ごしたいと改めて思いました。
—1日目はこちらから—
【界 奥飛騨】晩春の北アルプス、山岳温泉を堪能する宿(1日目)
※体験プログラムの内容、日程、価格等は公式サイトでご確認ください。
界 奥飛騨
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯138
時間:チェックイン 15:00、チェックアウト 12:00
予約電話番号:050-3134-8092(9:30〜18:00)
界 奥飛騨