タレントになりたくて笑福亭鶴瓶に弟子入りしたけれど、自分の居場所が見つけられずに「辞めさせてください」と口にした。師匠は首を縦にふらなかった。あの日から30年の月日が流れ、弟子は自身の独演会で師匠と競演する。タレントではなく、落語家として生きる道を選んだ弟子。「あの時、お前を辞めさせなくて良かった」師匠にそう感じてもらえるようにと自分を戒めながら、笑福亭銀瓶は今日も高座に上がる。
弟子入り志願、内弟子修業、年季明け、大御所の前での失敗・・・、こんなにリアルな落語家の日常を描いた本は唯一無二。
韓国語を学び韓国で落語をする、役者として舞台やドラマに出演する…、挑戦するたびに見える世界が変わってくる。
そしてそのときどきに、師匠・笑福亭鶴瓶からかけられた言葉がリフレインする…。
東京と大阪をまたにかけて活躍する落語家の半生を綴った400ページをこえるドキュメンタリー。
著者について
笑福亭銀瓶
1967年生まれ。兵庫県神戸市出身。
1988年3月28日、笑福亭鶴瓶に入門。
2009年第4回繁昌亭大賞・大賞受賞。
2010年10月文化庁文化交流使として、韓国各地において、韓国語落語など1ヶ月間で20公演を果たす。
日韓共同制作の「焼肉ドラゴン」の舞台に出演。NHKの朝の連続テレビ小説などに出演。
2020年2月、大阪松竹座で独演会を成功させる。
大阪・繁昌亭を中心に、京阪神・東京で自身の独演会・落語会を精力的に開催中。